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IRCとシクロクロス2023

IRC

July.28 2023/Talk:TomohiroTanaka(井上ゴム工業株式会社 グローバルタイヤ事業部)

全日本選手権でも人気のiRCチューブレスタイヤ

全日本選手権

iRC TIRE 井上ゴム工業株式会社は愛知県名古屋市に本社がある二輪タイヤメーカーです。地元の東海シクロクロス(東海CX)を始め、様々な大会に協賛やサポートをしています。
2023年の愛知県稲沢市のワイルドネイチャープラザ(WNP)で開催された全日本選手権では、長期にわたりサポートしている、東海CXの本拠地にて開催を盛り上げることができ、非常に感慨深いものがありました。東海CXシリーズは比較的平坦なコースが多いのですが、路面は変化に富み、CXの醍醐味を味わえるコースが多いです。面白いのはやはりWNPで、ほとんどが砂。ドライコンディションでのおすすめはSERAC CX EDGEです。

この数年で、シクロクロスではチューブレスユーザーが増加しています。iRC では、2022年にSERAC CXシリーズを全て「チューブレスレディ(TLR)」に変更しました。これにより、従来のTLよりも軽量化、そして更にしなやかな乗り心地を実現しました。

TLRタイヤの大きなメリットは、朝でもタイヤを変えられることです。コースを見て、みんなが履いているタイヤを見て、そこからでも十分変更できます。仮にホイールを1組しか持っていなくても、コースに合わせてタイヤのパターンを直ぐに変えられるのが良いのではないでしょうか。また、チューブタイプと比べてリム打ちパンクが起こりにくいことや、チューブラーと比べてメンテナンス性が高いのもメリットですね。

「なぜ、チューブレスなのか?」

従来の転がり抵抗の軽さという強みに加え、クリンチャーと比較して乗り心地がよく、リム打ちパンクが起こりにくくなること。またパンクが起こった際にもシーラントが作用し、レースを完走できる確率があがります。昨今のワイドトレッド化の恩恵もあり、内幅21mm以上のリムではナイーブなタイヤのヨレも少なくなり、タイヤインサートと組み合わせて使用すると、よりチューブラーに近い空気圧まで落とすことが可能となり、セッティングの幅も広がりました。

自転車用チューブレスタイヤ(TL)の開発に関してはマウンテンバイク(MTB)用タイヤからスタートしています。MTBではリム打ちパンクが特に多いので、TLにするとそれがかなり少なくなるということ、低圧にできるという利点が挙げられます。また、チューブはタイヤ内部で異物となり、摩擦がエネルギーロスとなって転がり抵抗を増加させます。iRC TIRE ではオートバイのタイヤを製造していますが、オートバイは一部オフロード車以外はTLタイヤが増えてきていました。その技術をうまく転用し開発が始まりました。その後、開発に成功し広く一般に普及することとなりました。

MTBの次に開発に着手したロード用TLタイヤ。2005年頃から開発が始まりましたが、ロードタイヤはMTBに比べて空気圧が高いのため、対応させるのに非常に苦労しました。特にビード周りの再開発を必要とされましたが、開発に成功し、今日のFormula Proシリーズへと繋がっています。

さて、シクロクロス(CX)用タイヤに関しまして、1996年の第一回全日本選手権以降、チューブラータイヤがエリートクラスでは主力です。チューブラータイヤの製造工程はiRCの得意領域とは全く違いますから容易に始めることはできません。では、iRCがCX用のタイヤでできることは?、と考えたとき、TL技術を転用すれば様々なユーザーに魅力を感じて頂けるのでは?チューブラーを使っている方々にも喜んで頂けるのではないか?という想いから、CX用TLタイヤ開発が始まりました。

シクロクロス車両は昨今、ディスクブレーキ化が進んでいますので、TLRタイヤの、タイヤを組み付けられれば、誰でも一律に精度や強度が担保することができることや、メンテナンス性の高さにより、広く一般に普及していくのではないか、と考えています。

また、シクロクロスを新たに始める方が増えていることも大きな流れです。これから始める方でしたら、懇意にしているショップの方とよく相談をしていただければ、チューブレスタイヤを選ばれる可能性も少なからずあるのではないでしょうか。常々、シクロクロスの参加者から、仕事もしながらレースをしているので、チューブラーの張替えが手間で大変だ、という話も聞いております。
これを機にチューブレスタイヤを使用してみてはいかがでしょうか。

「3種のトレッドのCX用チューブレスレディタイヤ」

シクロクロス用チューブレスレディ(TLR)タイヤは3種類のトレッドパターンがあります。様々なコース、路面状況に合わせられるように設計しており、重量は全て同じです。また3種類にはそれぞれ、耐パンク仕様のモデルもあり、重量が60gほど増えますが安心して走ることができます。
3パターン×2種類(通常/耐パンク仕様)で6モデルからチョイス可能です。

一般的には「①SERAC CX TLR」ノーマルパターンを使用される方が1番多いです。まずはこれを使い、路面状況に合わせてタイヤ交換をするのが良いと思います。コーナーではしっかりとタイヤを潰して曲がるのがおすすめです。

ドライ路面でスピードを重視するのであれば、「②SERAC CX EDGE TLR」。芝やドライ路面、締まった路面のドライコンディションであれば、この「エッジ」が抵抗が少ないため速いです。サイドエッジの配置の影響もあり、特定のバンク角ではノーマルよりもグリップする角度もあり、また、多少のマッドコンディションでは、泥はけの良さからあえてこちらを選択する選手もいます。ただピーキーな性格であるため転倒には要注意。
舗装路でも速いパターンであるため、グラベルツーリングにもおすすめです。

「③SERAC CX MUD TLR」は1番ノブが高く、間隔があいています。
サイドノブも大きく、ノブの高さも総じて0.5mm高いためグリップ、トラクション共に良好です。グリップを稼ぎたいや、キャンバーでのトラクションを求める選手はマッドを選択される傾向が多いようです。また、脚力がある方やしっかりしたグリップ感を好む方もこのタイヤを選ぶ傾向にあります。
雨になったら諦めてこちらのトレッドパターンにすぐ交換しましょう。雨 は突き刺しやサイドカットのパンクの確率も上げますので、耐パンク構造のX-Guardもおすすめできます。
攻めたタイヤセッティングの選手の横をすり抜けてポジションを一つでも上げていきましょう。

チューブレス(TL)/チューブレスレディ(TLR)タイヤは空気を保持するため、ビード部分の構造がチューブタイプとは異なっています。
TLタイヤの一番内側には、空気保持層が貼られています。これがあることで、シーラントを入れなくても密閉されて空気が保持でき、走れるようになるわけです。ただし、対応ホイール、リムが必要となります。TLRタイヤの場合には、一般的には空気保持層がなく、シーラントを入れることでエアシールできますが、SEAC CXシリーズでは極薄の空気保持層(MGI マイクロゲージインナー)が実装されているため、一般的なTLRタイヤより空気保持性能が高くなっています。

「CXでのタイヤ研究は尽きることがない」

CXでのタイヤ研究は尽きることがない

CXは研究熱心な人が多い印象です。6パターンのタイヤがあると言いましたが、前後で違うタイヤをチョイスすることもよくあります。

前輪はSERAC CX、後輪がエッジで転がりを良くするというセッティングであったり、タイヤのブロックの方向を変えてみたりだとか。
当社は進行方向を指定はしているのですが、わざと逆にすることで、より路面に食いつくようになるとか、たまにブロックをカットしている人もいますね(笑)SERAC CX MUDのセンターノブをハーフカットして、万能タイヤだと豪語されている方とか、そんな方もいました。
(もちろんiRCTIREでは推奨していませんので、ノブのカットなどは自己責任でお願いします)

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