世代闘争再燃
駅前の霞ケ浦のサイクリングロードの発着点の広大な広場。どこのポイントにいても、コースの駆け引きの多くを見渡せる観客フレンドリーなサーキットだった。2日間とも穏やかな日だった。
陸上競技場をスタートし、直線の長い道路でフィニッシュするワールドカップや世界選手権のようなデザインだ。
2021年12月11日 大会1日目
エキジビジョン 男子シングルスピード
1 腰山 雅大 All-City Cycles / 662CCC 27:28.60 2 三宗 広歩 TEAM TAMAGAWA 0:01 3 山崎 雅典 Marunouchi Cycling Club 0:26
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エキジビジョン 女子シングルスピード
1 野下 幸 Team轍屋 31:36.70
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女子マスターズ
1 唐見 実世子 弱虫ペダル サイクリングチーム 30:46.70
2 野下 幸 Team轍屋 0:26
3 森田 由美子 Gufo Cycle Works 0:43
この夏、マスターズ転向した唐見選手シクロクロスでも勝利。
4冠。 これだけのタイム差。2位以下の選手も健闘した。
男子マスターズ 60+
1 佐藤 稔 スワコレーシングチーム 28:59.90 2 久馬 逸志 今日も押しまs 0:18 3 松井 正通 2RLine 1:33
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長く、普通の人だった佐藤選手。昨シーズンから思い出した ように始めた。今季直接対決で勝っている久馬選手が前評判。 スタートで出遅れ、猛追撃を見せたが及ばず。
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男子マスターズ 50-59
1 大原 満 27:37.50 2 湯浅 勉 RIDE LIFE GIANT 0:05 3 筧 太一 BUCYOcoffee/clt 0:10 過去にタイトルを獲った猛者の集まる年代。大原選手連覇。
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男子マスターズ 40-49
1 田崎 友康 ToyoFrame 40:26.60 2 生田目 修 イナーメ信濃山形&大幸ハーネス 0:00 3 太田 好政 Rapha Cycling Club 0:03
何年もこの3人の表彰台は変わらない。太田選手だけ勝てていない。 昨年は生田目選手、今年は田崎選手。 今季は太田選手の調子のよさがずっと目立っていたが、 終わって見たら、二人が試合を組み立てて、走らされていた。 頑張って走ること以外の、人との戦いで、田崎選手がうまかった。
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男子マスターズ 35-39
1 村田 憲治 岩井商会レーシング 40:31.70
2 佐伯 祐輔 SBC Vertex Racing Team 0:14
3 斉藤 和哉 シルクロード 0:30
全体結果はこちら
https://data.cyclocross.jp/meet/CXK-212-009
2日目 2021年12月12日
今はなくなった規則がある。10年前は、こんなUCI規則だった。
ジュニアの選手はエリートより下手だから障害板は避けてあげましょうという内容だ。
アンダー15からジュニアまで、男子選手は全カテゴリー障害板を跳ぶ跳ぶ。
トップはもちろん、中位でも跳びまくる選手続出。エリートに見せたかった。
男子U15
1 松山 海司 Sonic-Racing 27:18.3 2 松村 拓弥 なし +0:28 3 佐竹 清亮 アラスカワークス +0:35
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女子U15
1 日吉 彩華 LimitedTeam846まるいち 29:09.90 2 石川 七海 Champion System Japan Test Team 0:20 3 小林 碧 ProRide 7:43
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男子U17
競技場からのロングスパート。ずっともがいていた野嵜選手。 もう踏む力はわずか。どれだけか。
後ろを昨年の覇者松井選手が付き、フィニッシュラインで車体を投げ、 はるかに速い勢いで左を駆け抜けていった。差したと皆思った。
車体か体の一部がフィニッシュラインを越えたときがフィニッシュ。 700cでは、今踏んでいる31センチ先。松井選手わずかに及ばず。
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1 野嵜 然新RACING TORQUE 27:11.0 2 松井 颯良三味線Racing +0:00 3 成田 光志Dream Seeker jr. Racing Team +0:08
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女子U17
1 西原 夕華トーヨーCT 29:04.1
2 日吉 愛華LimitedTeam846まるいち +0:29
3 松崎 光優Touch me CXチーム +3:44
男子ジュニア
先頭ふたりは障害板を跳んでいた。 柚木選手は非常にきれいな跳び方だ。 走りもフィニッシュも美しい。 高橋選手は途中まで先頭を走っていたが、最後はかなりの差になった。
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1 柚木 伸元朝明高校 39:00.6 2 高橋 翔 cycleclub 3UP. +0:56 3 長島 慧明 北桑田高校 +1:03
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女子ジュニア
実力伯仲の3人。 大蔵選手は前のチャンピオン。最後はスプリント勝負。
人数が少なくてもハイレベルだ。
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1 中島 瞳弱虫 ペダルサイクリングチーム 44:22.8 2 大蔵 こころ 松山学院高校 +0:00 3 水谷 彩奈 松山学院高校 +0:43
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男子U23
スタートから飛び出したのは鈴木選手、松本選手のふたり。
まもなく村上兄弟が追いつき、松本選手が落ち、このあとの心理戦が繰り広げられることになった。
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鈴木選手はずっと3人でフィニッシュまで行ってはいけないことは自明。 瞬間の力、最終的な力のあるのは兄、功太郎選手だろう。 この日、ミスが多く、何度も遅れ、やっと追いつくことを繰り返していた。この何度もあるチャンスを臆病か、力がないのか、鈴木選手は突き放すことができなかった。 今シーズン途中でカテ1に上がった、経験の浅い弟 裕二郎選手とのマッチレースにするチャンスがあったのだ。
ここのハンプ越えは峠の頂上と同じ。いったん詰まってそれから伸びていくところ。フィニッシュ前の最後のヤマだ。
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飯山での男子エリートと同じ。陸上競技場のハンプへ真っ先に駆け上がることが、この日の作戦。鈴木選手が折り返しのハンプを登るときには、左のAラインを下り始めた 功太郎選手。陸上競技場で差を広げた。後ろでは弟裕二郎選手が追う鈴木選手をきっちり仕留め、ワンツーを決めた。
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1 村上 功太郎松山大学/TOYOFRAME 50:30.4 2 村上 裕二郎明治大学 +0:01 3 鈴木 来人Team S1NEO LOUDEAC +0:01
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公式写真はこうやって撮っている。
女子エリート
ジュニアチャンピオンだった。渡部選手 エリート U23でも勝利
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1 渡部 春雅 明治大学 47:30.8 2 福田 咲絵 AX cyclocross team +0:01 3 矢吹 優夏 B.B.Q +0:39
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男子エリート
JCXでは沢田時選手が織田聖選手より星が先行している。 この2人の力が飛びぬけていることは間違いないだろう。
竹ノ内、小坂の世代は愛媛、内子の全日本では、ここに さらに山本幸平選手が入り、ベテラン選手がずらっと並んだ 先頭集団に絡めたのは前田選手だけで、その後ろを沢田選手、 竹内選手、横山選手がこぼれていき、そのときは前田選手が 勝ったのだが、何年経っても詰められない層の差をベテラン たちが見せた。
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今日の障害板は28センチ。織田選手に有利な状況ではない。 しかし、沢田選手はこの障害板で失敗し脱落した。
織田選手と小坂選手のマッチレースは遠く見ている観客も、 「今行った!」と沸き立った。 後ろの竹ノ内選手が追いつけない最高スピードの領域で、 50分からは、さらに追い越す、追い越すことを繰り返した。 最終回、織田選手は突然野球場に入る手前で走れなくなった。 足が限界。攣ったのだと言う。
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宇都宮ブリッツエンは応援が多い。小坂選手ハイタッチでゴール。 あのときと一緒だ。
フィニッシュしたあとは、「俺たちの時代」ずっとライバルの二人。 竹之内選手が真っ先に祝福した。
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1 小坂 光 宇都宮ブリッツェン 1:00:57.2 2 織田 聖 弱虫ペダルサイクリングチーム +0:18 3 竹之内 悠 ToyoFrame +0:20
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これが祭りの後の風物詩。話すことは尽きない。
結果はこちら
https://data.cyclocross.jp/meet/CXK-212-010